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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【7月5日】~今回の都知事選ほどバカバカしい選挙はない~

2024年7月5日

アメリカのワシントンDC、イギリスのロンドン、そしてフランスのパリ。

いずれの都市も政治・経済・文化の中心であり、国内外から注目を集める世界有数の大都市ですが、日本と言えば「東京」があります。

成田にあっても新東京国際空港、浦安にあっても東京ディズニーランドと名のついてしまう程の大ブランド都市「東京」の首長が今週末に決定します。

首都のトップであり、知事のなかの知事、年間予算13兆円とも言われる巨額な予算の裁量権を持つのがこの都知事であり、絶大な権力は首相や米大統領より上と言われるトップオブ東京。

その東京都の都知事選、このバカバカしさをなんと表現したらよいのでしょう。

それぞれがそれぞれに公約を掲げてはおりますが、そのどれもが陳腐で軽薄。

その場しのぎの人気取り政策に見えて仕方がないのです。

都民の将来を頭が捻じれるほど考えて出しているのではないと思うからです。

候補者の誰一人として「東京都とは何か」「何を優先し、何を誇るのか」について、世界に示す明確なロジックを持っていないのです。

いったいこの選挙は何なのか。

その始まりは、1995年の都知事選で青島幸雄が当選したあたりからではないでしょうか。

青島氏は170万票を獲得し大差をつけての当選しましたが、それ以降知事になったのは石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、小池百合子であり、作家、学者、ニュースキャスターといった超有名人のみ。

タレントが都知事になるというパターンが生み出され、今日まで続いているといった始末です。

今回、現職小池百合子の有力な対抗馬である蓮舫も元タレントです。

東京の有権者数は1150万人で、これだけの有権者が一人を選ぶのだから知名度が極めて重要になってくるわけですが、これによってタレント議員しか都知事になれなくなり、結果的に人気投票になってしまった。

都民にとっては不幸でしかないのではないかと思うのです。

願わくば出世欲に長けた、タレント上がりの政治屋ではなく、一人の人間として自ら誇れる人物にこの首都の舵を取ってもらいたいと願うは過分な望みでしょうか。

選ばれし人物がその存在をもって範を垂れ、すべての都民に美徳を示すことは夢となってしまったのでしょうか。

参政意欲の乏しい、主権意識の希薄な都民を見越し、権力を志向する人物に都政を託したくないのです。

今回の都知事選ほどバカバカしい選挙はない、つくづくそう思うのですがどうすればよいのでしょうか。

投資調査部 内田

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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。