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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【6月7日】~今そこにある現実~

2024年6月7日

九州熊本を先頭にした半導体投資ブーム、過去最高の伸びを続ける設備投資、マンション価格の高騰、30年ぶりとなる賃上げ、そして深刻化してきた人手不足など。

過去30年間では見られなかった変化が相次いで起こっています。

日本が円高やデフレで苦しみ抜いた長期停滞からようやく抜け出し、新たな段階に入ったことは紛れもない事実と言えるでしょう。

事の発端と言いますか、困難な状況を大きく変えるきっかけになったと思えるのが地政学、つまり米中対立と考えています。

この米中対立により、日本の加勢を必須とするアメリカが手のひらを返したことで日本優遇への舵が切られ、さらに円安を容認したのだろうと思っています。

言うなれば脱中国の代替地として、日本に投資が及んできたということです。

この地殻変動とも言うべき生産移転、具体的には台湾による対日投資を改めて整理してみましょう。

TSMCは熊本工場第一期工場が完成1兆2900億円(内政府補助4670億円)、第二期工場2兆0800億円(内政府補助7320億円)

PSMCは宮城県でSBIと共同で8000億円投資。

アルチップテクノロジーズ、グローバル・ユニチップ・テクノロジーズ、イーメモリーテクノロジーズは日本進出を決定。

さらに多くの台湾企業が日本での事業開始に向けて検討中とのことです。

今最も成長力が高いのがファブレス半導体企業であり、これらファブレス半導体企業の大半は台湾人が経営を担っています。

半導体ピラミッドの頂点とも言うべきTSMCが、産業の捕食者として日本をパートナーに選んだ意義は大きく、国際的な生産拠点としての役割すら強めるとみています。

地政学が経済と明確に結びつき、産業活力を盤石なものとした朝鮮戦争(1950年)に匹敵するほどの意味を持つかもしれません。

投資家である以上、米国からの要請、または官邸マターだとすると、天の声につかない手はないのではないでしょうか。

日銀によるETF投資収益30兆円や米国財務省証券の為替差益44兆円もありますので、懐具合も万全。

国家プロジェクトである日台産業協力に最大の関心を向けていただきたいと思うのです。

ホンハイ傘下に入った【6753】シャープにも神風となるか注目しています。

投資調査部 内田













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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。