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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【4月5日】~研究開発費83億、広告宣伝費193億~

2024年4月5日

認知機能の向上に役立つ、睡眠の質を高める、高めの血圧が気になる、おなかの脂肪を減らす、免疫機能の維持に役立つ、ストレスを緩和する・・・。

ドラッグストアのサプリ売り場を見渡せば健康維持やら増進やらの機能性表示食品のなんと多いことか。

記憶力向上を謳ったノンアルビール?そんなもの必要でしょうかね(愛飲している方にはごめんなさい)

なかでも断トツ人気なのが脂肪に関するもので、絶対痩せられると謳ったサプリなのだそう。

楽して飲むだけで痩せるなんて絶対にあり得ないにもかかわらず、いい大人がコロッと騙されている。

痩せるためには運動をし、そして食事制限と生活習慣を徹底するのが基本ですが、もっともらしい体験談で、もっともらしい試験結果を見せられて、もっともらしい専門家が有効性を追認する。

これで「よし、試してみるか」となるのでしょう。

2015年に始まった機能性表示食品は市場規模が直近6865億に膨れ上がり、健康志向の高まりとともに順調な右肩上がりとなっています。

原価や研究開発費の数倍の広告宣伝費をかけ、用意周到にマーケティングを重ねる訳ですから、消費者が騙されてしまうのもある意味やむを得ないのかもしれませんね。

健康被害が報告された小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントも機能性表示食品です。

被害の原因はいまだ特定されておりません。

参考までに同社の研究開発費83億、広告宣伝費193億。

同社の最終利益に匹敵する額を広告費に投じていたわけですから、経営戦略の核として広告宣伝の重要性が窺われます。

市場拡大を追いかける一方、安全性の担保に油断がなかったのか。

被害の把握から使用停止の発表まで2か月かかった責任も問われます。

亡くなった方もおりますので、一刻も早い全容解明が待たれます。

かつて日本ハムが食肉偽装で揺れたとき、創業家の大社(おおこそ)一族が退任して一件落着となりましたが、今回も小林一族の引責に発展するのでしょうか。

「これは大丈夫?」

このところ、売り場で手にした食品の成分表示を眺めながら熟考する時間が増えました。

なるべくストレスのない買い物でありたいものだと、CMで流れてるプラズマ乳酸菌を飲みながらもっともらしく思うのです。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。