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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【11月17日】~商社か、商社以外か~

2023年11月17日

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが円建て社債を発行するそうで次の投資先として商社株の買い増しも含め、各社の予想が駆け巡っています。

同氏が5大商社の株に純投資目的で投資し、大株主になったのは周知の通りですが、さて「次なるバフェット銘柄」は何でしょう。

ズバリ申し上げますが、その銘柄を当てるのは難しい。

ただ、株式益回り(PERの逆数)が高く、増配が続き、理解しやすいビジネスで、且つ世界で展開しているビジネスとして日本のメガ損保が該当します。

ご存じの方も多いかもしれませんが、国内の損保市場はメガ損保3社でシャア9割という寡占市場であり、国内で潤沢な利益を上げています。

値上げ力もあり昨今のインフレに対する抵抗力も有していると考えます。

また世界的にみてユニークなのは各社が豊富な含み益を持つ多額の政策保有株を有しており、毎年500億から1000億規模で売却し資金を確保している点です。

特に【8766】東京海上保険Hはこの売却資金を活用し、海外の保険事業をほぼ毎年買収しており、連結保険収入の約半分が海外事業によってもたらされるまでに至っていることです。

魅力的なM&A先が見当たらない場合、同社は積極的な株主還元を行っています。

バフェット氏の言う「配当や自社株買いのために多くの資金を生み出している」銘柄であり、同氏のお眼鏡にド直球でかなっているのではないでしょうか。

そして足もとの株価自体が割安であることは、これら株主還元策にとって重要な意味を持ちます。

自社株買いでは株価が割安であるほど多くの株を買い入れすることができ、結果として株主に帰属する一株当たり利益が多くなるからです。

現在の損保各社の株価は10%前半のPERです。すなわち、株式益利回りは7~8%の水準であることを意味し、割安と判断できます。

配当利回りも3%~4%付近であり、こちらも総合商社なみの数値です。

買う買わないは別として、ただ単に金利敏感の代表として指標的にチェックするのも一考かと。

とは申しても、単なる予想ですので当たるも八卦、当たらぬも八卦。

それはさておき、商社以外の銘柄をバフェット氏が買っているのであれば、ただそれだけで日本株全体が買われるバフェット効果が強まると思われます。

その場合、3か月前後は海外勢の資金流入が期待できるので年度内に関しては、地合い好調となるでしょう。

投資調査部 内田。





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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。