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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【6月30日】~総会屋とシャンシャン総会~

2023年6月30日

上場企業の株主総会が29日、ピークを迎えました。

PBR1倍割れ企業に対する風当たりが強まっていることや、ESG投資の広がりを背景として多種多様な取り組みが議論されたと見られます。

更に外国人投資家の買い越し額が年初から兆円単位で膨らんでいることはこの傾向にさらに拍車をかけています。

例えば、世界最大の政府系ファンドであるノルウェー年金基金は取締役会に女性がいない日本企業の議長再任案を反対すると表明しました。

また、アクティビストと呼ばれている物言う株主からの提案件数も過去最高を更新しているようで、非効率な企業に対する経営改善圧力が高まっています。

もちろん要求する側がすべて正しい訳ではなく、なかには企業の持続性を無視し、なかば脅迫するような、エゴイズム満々の意見も散見されますので、未来志向でみた議論を客観的にすることが望まれるでしょう。

とは言え、こうした動きが日本企業の底上げにつながるのはまず間違いありません。

上場企業という肩書欲しさに、漫然と上場を続け、株主との対話を怠っている企業が一定数います。

さらに形式基準だけを満たし、体裁だけ整えていれば十分と考えてる企業も珍しくありません。

かつて株主総会と言えば7月1日に96%超の企業が集中して開催し、総会屋と呼ばれる連中を封じ込めた過去があります。

会場の入り口に警察の機動隊が陣取って、株主にボディーチェックをしたことも。

さらに総会で不祥事などを執拗に追及された経営者のなかにはPTSDになって苦しんだ方もいたそうで。

罰則強化によって総会屋はほぼ壊滅しておりますので、日程の分散化をすすめ、経営者との対話をはかり個人投資家にファンになってもらう、そんな努力が求められるでしょう。

一方的な議事運営で30分で終わらせるシャンシャン総会も封じ込める機会だと思うのです。

投資調査部 内田




























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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。