内田晋也の株式投資コラム
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公開日:2022年8月19日
1945年8月9日、広島に原爆が投下されました。
後世という、ことが冷却してしまった時点でみてもなお、アメリカの原爆投下には弁護するべきところが全くありません。
もし、日本と同じ条件の国がヨーロッパにあったとして、そして原爆投下がアメリカの戦略にとって必要だったとしても、ヨーロッパの白人国家の都市に落とすことはためらわれたのではないか。
白人同士では通用しないサディスティクな戦術が、相手が異教徒のしかも劣等人種とみられている黄色民族の国ともなると平気でとられるところに日本人のつらさがあるでしょう。
平時であれば取り立てて露出しないものが、戦時と言うギリギリの心理の場になると、アジアにならやってもいいと言う、自制力のゆるみが端的に顔を出した一例と思っています。
上は余談です。
ロシアと中国が世間を騒がせている中、日本では2023年度の防衛費について5兆5000億円の概算要求となりました。
これとは別に防衛力の強化で金額を示さない「事項要求」も盛り込んでおり、岸田首相が想定している「相当な増額」に向けて動き出した感があります。
国防費が増えるということは、国が新たな防衛プロジェクトを立ち上げたり、武器やミサイル、軍艦や戦闘機を企業に発注することになります。
戦争が始まってから戦闘機を作ってたら手遅れになるのでその前に有事に備えておくわけです。
このプロジェクトが立ち上がるとどうなるでしょう?
そこはもちろん防衛関連企業のさらなる売上や利益が見込めるということになります。
しかも兆円単位のカネが投じられますので恩恵も相応になると見られます。
兄弟であっても犬猿の仲と噂されている三菱重工と三菱電機が防衛関連費を獲得するために手を組んだと伝えられています。
「防衛バブル予算」の争奪戦のゴングは既に鳴ったとみて良いでしょう。
では、国防費の中でも、予算が増える分野はどこなのでしょうか?
そこに「今が買い」の防衛株のヒントがあるはずです。
日本には安全保障政策の指針となる三つの文書があります。
「国家安全保障戦略」「防衛大綱」「中期防衛力整備計画」。
恐らく上記の文書から何らかのアクションが示されると見ております。
日本世論調査会の先月の世論調査を見ると日本が今後、戦争をする可能性があるとした人は48%と、昨年から7ポイント上がりました。
ウクライナ侵攻で脅威を身近に感じる人が一定に増えたのは間違いありません。
何にどれだけ予算を充てるか。
注意深く見守って参りたいです。
投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)
1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。
©G&D advisors.