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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【2月4日】~目黒のサンマと韓国産のアサリ~

2022年2月4日

落語の小噺です。

目黒に出かけたある殿様、腹が空いたのに弁当がない。

そこで家来に命じて庶民の家で焼いたサンマを食べると・・・、生まれて初めて食べる油の乗った焼きたてのサンマの美味いこと。

屋敷に帰ってもサンマの味が忘れられない殿様、招待された親戚のところで何が食べたいかと問われてつい「サンマが食べたい」と答えてしまいます。

驚いた先方は早馬を走らせ魚河岸からサンマを調達、蒸して油を抜き、小骨を抜いて椀に出しました。

焼きたてのサンマが出てくると思った殿様、変わり果てたサンマを一口食べると目黒で食べたサンマにほど遠く、

殿様「このサンマ、いづこで仕入れたか」

家来「日本橋の魚河岸でございます」

殿様「それはいかん、サンマは目黒に限る」

目黒をサンマの名産地だと思い込んでいる、世間知らずを露わにし、世俗に無知な殿さまを風刺してオチとなります。

これは余談です。

単なる勘違いなら笑っても済まされますが、このような欺きは笑うに笑えません。

熊本県産をうたって出回るアサリの大半に外国産が混入している可能性がある―。

驚きの事実が、農林水産省の調査で発覚しました。

中国や韓国からの輸入ものが熊本県産と偽装され、店頭に並んでいたよう。

緊急出荷停止宣言が出され、まじめにやってきた漁業者や流通業者にとっては、巻き添えとなっています。

実は韓国産貝類、アメリカ食品医薬品局(FDA)では2012年から流通業者に販売禁止を通告しています。

加工処理が施されている缶詰も販売禁止の対象です。

FDAが出した通達にはこう記されていました。

〈韓国産貝類の缶詰は、人間の糞便に汚染された水域で採捕された貝類を含むため、食用として適切ではない。

また、生鮮、冷凍、および缶詰以外の加工製品にはノロウイルス汚染のリスクがあり、食品として適切ではない〉

なんと、国際的に見て適切でないものが熊本県産と偽られれ、かつ消費者を欺いて金儲けしていたのです。

許すまじ。

昨日食べたハマグリのお吸い物は何処産か?

信頼を取り戻すには、関係者の処分だけでは済まないでしょう。

全国的な調査を要請します。

小生が殿様なら切腹を申し渡すのですがね。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。