内田晋也の株式投資コラム
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公開日:2021年5月28日
6月末はヘッジファンドの中間決算で、そのタイミングで解約するには45日前に通知する必要がある。
だから5月半ばまではヘッジファンドの決算対策に絡む手仕舞い売りが相場を荒らす―。
まことしやかに言われている市場の通説です。
納得できるようなできないような。
この通説に従うと、ヘッジファンドがポジションを手仕舞うのは顧客の解約通知を受けて、ということになりますが、毎年毎年、このタイミングで投資家がヘッジファンドを解約しなければならない理由はありません。
ファンドの決算というのは分配金の支払いなど費用を精算し損益を確定させるためのものです。
このため日本の悪名高い毎月分配型投信は毎月決算をおこなっています。
一方、ヘッジファンドは頻繁に分配金を払う必要もないし、余計な経費をかけたくないので決算は年1回が普通なのです。
年末の本当の決算間近には成功報酬確保のためパフォーマンスを固めようとポジションを手仕舞う動きがある程度出るかもしれません。
ですが5月半ばという時期の手仕舞い売りには理由がないのです。
ヘッジファンドを運営する会社の決算とファンドが設定・解約の「窓開け」がごっちゃになった都市伝説と考えて頂ければと思います。
今回の急落もコロナワクチン接種率が高まれば次第に落ち着きを取り戻すと思われます。
【8358】スルガ銀行へのノジマ資本参加が継続するか中止となるか交渉に注目しております。
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内田晋也(うちだしんや)
1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。
©G&D advisors.