内田晋也の株式投資コラム
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公開日:2021年5月14日
新型コロナウイルス流行の収まりは見えないなか、東京オリンピックの開催を巡っては、「本当に行われるのだろうか」と疑問の拭えない状態が続いています。
また、東京オリンピックの中止や開催については、ニュースやネット情報でも憶測ばかりが先走り、明確な方向性が示されず心配な方も多いでしょう。
国際オリンピック委員会のバッハ会長は17日から2日間の日程で来日する予定でしたが、突如として延期が決まるなど、混乱と言うかドタバタと言うか。
日本株相場の目を覆わんばかりの低迷ぶりもそれをよく反映しています。
優先順位なき戦略、根拠なき楽観論、縦割り組織の弊害。
日本全体の閉そく感やシステムの機能不全を見事なまでに忠実に反映し、相場がネガティブな反応をしています。
偶然でしょうか、バッハ会長の来日が延期になりましたが、そのタイミングで相場に変化が出てきたのが気になります。
仮に、IOCと政府関係者の間で「中止の判断」が結論付けされ、いわゆる「プランB」が発動されているのだとしたら。
東京五輪の経済波及効果は、東京都の試算で32兆、米タイム誌で20兆円であり「話半分」としても10兆円規模になります。
今年の日本経済を展望する場合、仮に「プランB」のシナリオとなれば、そのマイナス効果は大きいです。
リセッションの可能性に言及せざるを得ない事態ですね。
米大手証券・欧州系証券のショートポジションの積み上げとなれば、ヘッジファンドにとって猫にマタタビ、お女郎に小判。
要は国や自治体が優柔不断なんです。
厳格な対応は代償も大きいし、なにより政治家は世間の不興を買いたくないのです。
今年は衆院選の年であることもありますから。
政治家の態度が煮え切らないとつけ入る隙が生まれるのでしょう。
投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)
1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。
©G&D advisors.