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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【4月9日】~あばよ、楽天~

2021年4月9日

【4755】楽天は3月12日、日本郵政、テンセント、米国のウォルマートなどを引受先として第三者割当増資で2423億円の調達を発表しました。

ただしこの事業提携、中国に対する国際社会の懸念を考えると少々厄介な問題を孕んでいます。

実はテンセントを中心とする中国通信事業体は中国人民解放軍と強いつながりが指摘されており、前米大統領トランプ氏はブラックリスト入りの検討をした過去があるからです。

時価総額は80兆円、純利益2兆6000億円に上る軍産複合体テンセントが楽天に出資するのです。

テンセントにとって楽天子会社に払う660億円など取るに足らない金額でしょう。

一方の日本郵政は政府が56.87%出資する事実上の国有企業ですが、傘下に日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の三事業会社を抱えております。

この包括的な事業提携により楽天+テンセントは日本郵政保有の「個人情報」にアクセスできることが可能になります。

テンセントが展開している人気アプリ「ウィーチャット」は10億の中国人が使っていると言われておりますが、このアプリを通じて利用者のトーク、購買履歴、趣味趣向のすべてが監視されているといわれえています。

日本の個人情報が楽天⇒テンセント⇒中国共産党に流れるようなことになるのは誰が見ても明らかでしょう。

仮に個人情報にアクセスしないなどの条件を付けたとしても、間違いなく嘘、カラ約束に終わると100%確信しています。

孫氏の兵法を編み出した謀略国家を甘く見てはなりません。

情報が取られた場合、楽天はどうするのか?

三木谷氏ははっきりと明言しています。

『アメリカにやってもらうしかない』

どの口が言っているのか聞いて呆れるとはこのこと。

賃金や商品価格の設定を含めた経済活動は基本的に自由に行われるべきだと思います、過去もそうでしたし、これからもそうあるべき。

ただし経済人には公共の利益に対する責任があるとも思うのです。

国益無視の企業に付き合うつもりは毛頭ございません。

あばよ、楽天。

反国益企業は消えてなくなれ!!

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。