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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【8月21日】~コロナを利して~

2020年8月21日

8月3日産経新聞の朝刊1面は「中国、尖閣に漁船団予告」でした。

孫氏の兵法を発祥の地とする中国が前もって侵略を予告するとは到底思えません。

というのも孫子の教えの基本は相手を巧みに騙すことにあるからです。

第一に、彼らは相手の隙を突きます。

国際社会が武漢ウイルスで大混乱を来たし、対応に注意と力をとられている間に、中国は香港を手中に入れました。

歴代主席の誰も成し遂げられなかった香港共産化を、習近平氏は混乱の中で成し遂げたのです。

さらに米中対立激化と武漢ウイルス問題で国際社会で孤立を深めた中国は日本に接近しつつあります。

日中関係はかつてない程良好だと日本側に言わせようと友好的に振る舞う一方で、上記のような尖閣略奪の準備を怠っていません。

鄧小平副総理が日中平和条約締結のために来日した1978年、突如尖閣に武装漁船100隻以上が押し寄せ、わが国政府を当惑させたように、中国の友好は常に脅しとセットなのです。

産経が報じた大挙侵入の「事前予告」は菅官房長官も否定しましたが、尖閣諸島の危機は確実に新たな局面に突入しているように見えます。

南シナ海で、ミスチーフ島を巡って中国とフィリピンが対立したときのことを想い出してください。

同島はフィリピンが領有していましたが中国が領有権を主張して軍艦を配備しました。

フィリピンは第二次世界大戦後に米国から払い下げてもらった唯一の旧式艦を展開させましたが、そこに台風がきます。

当時オバマ米大統領が両国に軍艦を退去させるようにと仲介し、フィリピンは従いましたが中国は居残った。

以来、中国が同島を奪い、埋め立てを行い今日に至ります。

隙が生じれば、水のようにさーっと侵入するのが中国の戦略です。

戦う意思のない国は徹底的に収奪を余儀なくされます。

この暑さの中で日本人としての確固たる国家感をとことん考えてみたいです。

それではまた次回お会いしましょう。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。