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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【3月22日】~バリューからの覚醒~

2019年3月22日

昨年1年間で、賃貸アパート業界に対する投資家のイメージは大きく悪化しました。

過剰供給地域における空室率の上昇や人口減少という構造的な問題に加え、シェアハウス分野における詐欺的な商法、二重契約書を用いた買主への過大な投資の斡旋と銀行からの過剰融資、さらに過去の大規模な施工不正などブラックな面が続々と明るみになり、関係企業の株価も大半が大きな下落となりました。

ただ、結論を先に申し上げると低価格の賃貸住宅は極めて普遍的で裾野の広い需要に支えられており、一時的な悪材料による悲観的な発想は正しくないと考えています。

日本全体の人口動態が高齢化に進み、かつ減少に転じ始めた今、アパートの新規供給はあまり必要ないのではという意見があるのは事実です。

しかし、現在の借家着工件数はバブル期の半分以下に落ち込んだことや地域別の人口移動を深く考慮すると必ずしも過剰供給とは言えないのではないのでしょうか。

時折公表される空室率も、集計対象に満室物件が含まれていないなど統計自体そのもにも問題があると考えております。

加えて今後は外国人労働者の増加が、確実に市場を支えると予想しています。

日本全体の人口減少に比べればその増加幅は小幅ですが、来日した外国人労働者のほぼ全員が賃貸住宅に入居することを考えれば地域によってはそのインパクトは小さくないと考えています。

業界に対するイメージ悪化による新規アパート供給の減少や、外国人労働者の増加による入居率の上昇は、関連業界の利益率を確実に引き上げると見ており、中長期の投資家にとって、またとないチャンスと言えるでしょう。

数社ある関連企業のなかで利益の源泉をよく理解し、ビジネスモデルを変化させられる経営者に注目しています。

今の株価の位置を考えると後塵を拝してきた企業でも一気に逆転できるポテンシャルがあるのではないでしょうか。

端的に申せば割安性と変化への努力です。

実際に変貌するかどうかは問題ではなく、株式市場が成長期待を織り込むかどうかに意味があります。

今後の利益成長はもちろん、相対的にディスカウントされてきたバリュエーションにプレミアムがついていくこも重要です。

将来の成長を内に秘めながらも株式市場での評価が低くとどまっているバリュー株が好きな私にとって、年に数社しかない「バリューからの覚醒」銘柄と変貌することでしょう。

今こそ狙う銘柄は・・・・・・その辺の話は別の機会に。

それではまた来週お会いしましょう。

投資調査部 内田










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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。