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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【3月1日】~重大な決断~

2019年3月1日

「ひとだすけ」の言葉を知っていたのでしょうか。

日本臓器移移植ネットワークによりますと、群馬県内の病院に入院していた6歳未満の男の子が脳死となり、移植のために臓器が供されたそうです。

6歳未満の子どもからの臓器提供は、これで10例目であり、心臓・肺・肝臓はそれぞれ10歳未満の女の子に、腎臓は10代の男性に提供される予定だそうです。

若い脳は回復力が強く、脳死の判定は慎重を要するそうで、最初の判定から丸一日あけて再判定する決まりとなっています。

幼児間の臓器移植が日本でも定着すれば、費用や体力面で負担の大きい「海外移植」に頼らずにすみます。

他の命を救う大仕事を終えたその顔に、ご両親はどんな言葉をかけたのでしょう。

悲観の底で重大な決断をされた少年のご両親に、かける言葉が見つかりません。

男の子は、同世代の人間の体となって「生き」続けます。

臓器を刷新した彼女たちはやがて恋をし、母にもなるでしょう。

人生の山谷が続く限り、坊やはその営みを裏方で支えることになります。

「昨日と今日は、偶然並んでいるだけでした。今日と明日は突然並んでいるのでした。だから明日の無い時もあるのです。」

飛行機事故で亡くなった坂本九さんに、永六輔さんが手向けた言葉です。

偶然並んだ毎日は、突然の幸も不慮の悲しみも舞い込みます。

気まぐれに置かれた飛び石を曲芸のように渡るが如く、命は不規則にそして不連続で明日へとつながるということなのでしょう。

わんぱく盛りの心臓と、汚れのない肝臓をもらい、子供たちは未来に歩み出しました。

会ったことも会うこともない少年と二人三脚の日々が始まります。

命の恩人となった少年と少年のご両親に最大級の合掌をお送りいたします。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。