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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【10月12日】~悔しかろうに~

2018年10月12日

中国のアリババを創業したジャック・マー会長が54歳の若さで引退を宣言しました。

今後マイクロソフトのビル・ゲイツ氏と同様に慈善事業に力を入れるとのことですが、どうも隠然たる力が働いたように見えます。

同氏はアメリカ大統領トランプ氏に直接会って雇用の拡大を約束していましたが貿易摩擦を理由にこの約束を反故にすると発表されました。

中国政府の意向に従わざるをえない大人の事情があったかどうかは推測するしかありません。

香港紙が伝えたことによると中国では現執行部に目をつけられた反体制派のリーダーや起業家たちが拘束を受けたり失踪したりするケースが続出しているそうです。

中国のバフェットと呼ばれる時価総額1兆8000億を誇る復星国際の創業者を含め、ここ数か月大物実業家たちが異様な頻度で行方不明になっており、共産党内部による企業支配が日を追うごとに大胆にそして露骨になっているように見えます。

もしマー会長自身が身を案じて引退したとなれば穏やかな話とはいかないでしょう。

米中の覇権争いが激化しているなかでその貿易の圧倒的な受益者である同国の焦りが背景にあるとすれば今後いかなる手段でも用いてくることが予想され注意が必要です。

「上からの統制なんて、必要ない。ユーザーのニーズにこたえられる能力がある人間が主導権をとる。ルールはこれだけ」(元LINE社長 森川氏)。

同国が目指す世界の覇権は中国発のイノベーションを起こす以外にあり得ないはず。

極めて有能な起業家が辞めなければならないような体制でそのイノベーションなど起こせるものでしょうか。

コピー商品では製造強国などとても無理。

孫氏と同様、マー氏も日本国籍を取得して・・・・・・その辺の話は別の機会に。

それではまた来週お会いしましょう。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。