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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【8月10日】~姿勢の変化~

2018年8月10日

日銀による金融緩和の影響から国内銀行の収益にマイナスの影響が出ているそうです。

このことがメディアによっては金融政策の副作用だとして、一部には底意のあるような表現も出てきました。

例によって朝日新聞は「追い込まれた末に」こう見出しを立てて日銀が金利上昇を容認した、と報じています。

まるで体を蝕む薬害であると言いたげな文章に悪意を感じたのは私だけではないでしょう。

現在銀行業界で世界一の時価総額は、米JPモルガンの43.8兆円です。

JPモルガンの時価総額は日本の上場銀行の時価総額を上回っており、JPモルガン一社で日本の銀行全部を買うことができるという計算になります。

ちなみに2006年、政策金利がまだ0.5%だったころ、JPモルガンと日本最大のMUFGの時価総額合計はほぼ拮抗していました。

しかしその後じりじりと格差がつき始め、マイナス金利導入後に一気に突き放された格好です。

日銀の異次元緩和以降、預金総額や顧客数でも引けを取らなった邦銀代表がそれを収益化できなかったのは緩和の副作用かそれとも営業努力の無さか。

もし仮に副作用として日銀が認識した場合、今回の微調整だけではまだ収益押し上げには不十分であり、さらなる調整に向けた動きとなる可能性が高まります。

銀行への配慮を見せ始めた当局の姿勢の変化を見逃すべきではありません。

銀行株は長期保有方針ならと考え始めています。

もし銀行株買うなら銘柄は・・・・・・・・その辺の話は別の機会に。

それではまた来週お会いしましょう。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。