投資の前にコレだけは知っておこう!

【01/20】第326回 投資詐欺の見極め方(その2)

2023年1月20日

前回のつづきです。
 投資家が、自分は投資詐欺にあったのかもしれないと気付くころには、詐欺師グループは逃げてしまっているケースが多いでしょうから、たとえ集団訴訟をしたとしても、取り返せる金額は微々たるものになる可能性が高いでしょう。
自分なら大丈夫だと思っている人が多いかもしれませんが、詐欺師も非常に巧妙なので、意外としっかりしていると思われる人ほどひっかかってしまう傾向もあるようです。
もし、「これは投資詐欺かも?」と思うようなことがあったら、早々に、投資詐欺に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。信頼している友人から勧められたケースなどの場合は、その友人が主犯格の加害者である可能性もありますが、被害者である可能性もあります。友人の言うことはうのみにせず、とにかく弁護士に相談するのが得策でしょう。
実は、ポンジ・スキームのような投資詐欺は、100年以上前から世界中に存在します。
近年の日本でも、オレンジ共済、安愚楽牧場、ジャパンライフなど、TVやラジオなどで大きく報道されたものから、メディアでは報道されない小さなものまで、さまざまなものが登場しては消えていっています。
自分は大丈夫だと思うかもしれませんが、あらためて、以下の投資詐欺に騙されないためのポイントをしっかりと覚えておくようにしましょう。
①金融商品取引業の登録のない業者の商品は買わないこと!
②「元本保証で高利回り」などのオトクな投資話は世の中に存在しないと肝に銘じること!
③未公開株、プロ向けファンド、私募債など、特別な商品だと勧めてきたものには要注意!
④仕組みがよく理解できない商品は買わないこと!
⑤金融商品や保険商品を販売していない信用できる複数人のFPに相談すること!
そもそも、販売担当者が一生懸命勧めてくる商品(金融商品以外も含む)に、本当の意味で利用者にとって有利な商品が存在する確率は非常に低いと言えます。
なぜ、販売担当者は一生懸命勧めてくるのでしょうか。
もちろん、それが仕事だからです。でも、それ以上に、販売会社または販売担当者が儲かるからですよね。利用者側の利益よりも販売側の利益のほうが大きい可能性も考えられます。その最たるものが今回触れた投資詐欺です。
これを機会に、どんな商品でも、自分で比較検討して選ぶというクセをつけてください。飲食店における「本日の店長オススメ料理」くらいだったら被害もほとんどないでしょうけど、販売担当者のオススメ金融商品は、利用しないほうがよいケースが多いです。くれぐれも注意するようにしましょう。
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菱田雅生(ひしだまさお)

  • ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 2級DCプランナー
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター

略歴

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て、2005年8月よりフリーに。現在は、相談業務や、原稿の執筆、セミナー講師等に従事する傍ら、TV・ラジオ出演などもこなす。

書籍

「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」すばる舎 (2018/1/25)

  • 当社にはコラムを提供中。
  • 当社ではFP技能士の資格を有するものをファイナンシャルプランナーと表記します。
  • CFPR、CERTIFIED FINANCIAL PLANNERR、サーティファイド ファイナンシャルプランナーRは米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。