【12/23】第322回 「新NISA」が「シン・NISA」に?(その1)
2022年12月23日
去る12月16日(金)、政府与党によって「令和5年度税制改正大綱」が公表されました。
大綱に記載されている変更内容が確定するのは、翌年1月からの通常国会を通過してからなので、例年どおりであれば3月ごろになります。
今回の改正の目玉は、なんと言ってもNISAでしょう。岸田内閣が打ち出した「資産所得倍増プラン」に明記されていたNISAの抜本的拡充と制度の恒久化が盛り込まれていました。
実は、もともと令和2年度税制改正によって、2024年からはNISA制度が一部変わる予定でした。変更内容は、2年ほど前にこのコーナーでも取り上げましたが、一般NISAが2階建ての制度に変わり、年間非課税投資枠が120万円から122万円に上がるという変更でした。
制度が複雑になって、非課税枠はたった2万円しか増えない。改悪と言ったら言い過ぎかもしれませんが、一般の投資家にとってわかりにくく、使いにくい制度への変更だったと言えるでしょう。
なので、今回の税制改正大綱によって公表された2024年からの新しいNISA制度は、もともと決まっていた新NISAを、完全に破壊してから作り直したものと言えます。表現するなら「シン・NISA」でしょうか。
では、2024年からのシン・NISAはどんな制度になるのか。税制改正大綱から読み解ける部分を、わかりやすく解説していくことにしましょう。
と、その前に、現行のNISA制度のポイントを簡単に触れておきます。
そもそもNISAは、少額投資非課税制度と呼ばれるもので、一定金額までの投資で得られる譲渡益(売却益)や配当金、分配金に対する20.315%の税金を非課税にしてくれる制度です。
例えば、株式や投資信託などへの投資で100万円の利益が得られたとすると、通常の課税講座だと20万3,150円の税金が差し引かれて、手取りは79万6,850円になってしまいます。それが、NISA口座内であれば非課税になるので、利益100万円が丸ごと手取り額になるのです。
このように、投資家にとって非常に有利なので、財務省が利用の制限をかけており、1人1口座しかNISA口座を作ることはできません。複数の金融機関で同時に利用することはできないようになっています(1年ごとに利用する金融機関を変更することは可能)。
そして、種類としては、以下の3種類があります。
①一般NISA(非課税枠年間120万円、非課税期間5年)
②つみたてNISA(非課税枠年間40万円、非課税期間20年)
③ジュニアNISA(非課税枠年間80万円、非課税期間5年)
①②が成人向け、③が未成年向けです。また、①②は選択制となっていて、1年ごとに変更は可能ですが、同じ年に同時に利用することはできないようになっています。(次回につづく)
大綱に記載されている変更内容が確定するのは、翌年1月からの通常国会を通過してからなので、例年どおりであれば3月ごろになります。
今回の改正の目玉は、なんと言ってもNISAでしょう。岸田内閣が打ち出した「資産所得倍増プラン」に明記されていたNISAの抜本的拡充と制度の恒久化が盛り込まれていました。
実は、もともと令和2年度税制改正によって、2024年からはNISA制度が一部変わる予定でした。変更内容は、2年ほど前にこのコーナーでも取り上げましたが、一般NISAが2階建ての制度に変わり、年間非課税投資枠が120万円から122万円に上がるという変更でした。
制度が複雑になって、非課税枠はたった2万円しか増えない。改悪と言ったら言い過ぎかもしれませんが、一般の投資家にとってわかりにくく、使いにくい制度への変更だったと言えるでしょう。
なので、今回の税制改正大綱によって公表された2024年からの新しいNISA制度は、もともと決まっていた新NISAを、完全に破壊してから作り直したものと言えます。表現するなら「シン・NISA」でしょうか。
では、2024年からのシン・NISAはどんな制度になるのか。税制改正大綱から読み解ける部分を、わかりやすく解説していくことにしましょう。
と、その前に、現行のNISA制度のポイントを簡単に触れておきます。
そもそもNISAは、少額投資非課税制度と呼ばれるもので、一定金額までの投資で得られる譲渡益(売却益)や配当金、分配金に対する20.315%の税金を非課税にしてくれる制度です。
例えば、株式や投資信託などへの投資で100万円の利益が得られたとすると、通常の課税講座だと20万3,150円の税金が差し引かれて、手取りは79万6,850円になってしまいます。それが、NISA口座内であれば非課税になるので、利益100万円が丸ごと手取り額になるのです。
このように、投資家にとって非常に有利なので、財務省が利用の制限をかけており、1人1口座しかNISA口座を作ることはできません。複数の金融機関で同時に利用することはできないようになっています(1年ごとに利用する金融機関を変更することは可能)。
そして、種類としては、以下の3種類があります。
①一般NISA(非課税枠年間120万円、非課税期間5年)
②つみたてNISA(非課税枠年間40万円、非課税期間20年)
③ジュニアNISA(非課税枠年間80万円、非課税期間5年)
①②が成人向け、③が未成年向けです。また、①②は選択制となっていて、1年ごとに変更は可能ですが、同じ年に同時に利用することはできないようになっています。(次回につづく)