投資の前にコレだけは知っておこう!

【6/10】第318回 アクティブファンドの選び方

2022年6月10日

 前回は、資産形成の基本はパッシブ(インデックス)運用で、という話でしたが、今回は、アクティブ運用のファンドが必ずしもダメというわけではなく、使ってもいいと思われるファンドもそれなりにあるよ、選び方のポイントはコレ、という話です。
 まず資産形成のためには、国内株式全部を買ってしまうイメージのTOPIX連動のファンドや、全世界の株式をまとめて買ってしまうイメージのインデックス運用のファンドを買っておくべき、というのが基本です。
 そのうえで、ベンチマークとされる指標を上回る成果を目指して運用されているアクティブ運用のファンドも、選択肢として加えてもいいと思います。
 ただし、いま流行りのテーマに着目したテーマ型ファンドや、新しく運用がスタートするファンドを買うのではなく、少なくとも10年以上運用が続いているファンドから選ぶべきでしょう。これが選ぶポイントその1「運用期間10年以上」です。
 そして、選ぶポイントその2は「運用実績」。10年以上運用が続いていて、安定的に日経平均株価やTOPIXのパフォーマンスを上回っているかどうかをチェックします。モーニングスターなどのWEBサイトを利用すれば、過去の実績を簡単に比較できますので、やってみましょう。
 ちなみに、2022年4月現在で、日経平均連動ファンドの10年リターンは年率12.3%、TOPIX連動ファンドの10年リターンは年率10.5%でした。そして、10年以上運用が続いている日本株のアクティブファンド263本のうち、日経平均を上回っていたのが79本、TOPIXを上回っていたのが137本でした。
 日経平均を上回ったのが3分の1弱、TOPIXを上回ったのが半数程度と、やはり、パッシブ(インデックス)運用が無難だとわかりましたが、それでも10年リターンでコンスタントに指標を上回っているファンドがあることもわかりました。
 アクティブファンドの10年リターン2022年4月現在のTOP3を調べてみると、
1位DIAM 新興市場日本株ファンド29.73%
2位日本新興株オープン22.00%
3位SBI 中小型成長株F ジェイネクスト『愛称:jnext』21.26%
となっていました。
 1位のDIAM 新興市場日本株ファンドは、ここ10年で20倍近くまで上昇しています。残念ながらここ数年、新規の募集を停止していますが、年率20%を超える実績を残しているのは驚きです。
 アクティブファンドを選ぶのであれば、これらのファンドのように、長期間にわたって実績を残しているもので、運用方針や運用哲学に賛同できるもの、これからが期待できそうなものを選ぶことが重要でしょう。これが選ぶポイントその3「投資方針・投資哲学」です。
 繰り返しますが、資産形成のための基本はパッシブ運用のファンドを優先的に利用しましょう。そのうえで、好成績のアクティブファンドも選択肢の一つとして加えてもよいでしょう。
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菱田雅生(ひしだまさお)

  • ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 2級DCプランナー
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター

略歴

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て、2005年8月よりフリーに。現在は、相談業務や、原稿の執筆、セミナー講師等に従事する傍ら、TV・ラジオ出演などもこなす。

書籍

「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」すばる舎 (2018/1/25)

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