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【7/29】第320回 日経平均株価の計算方法が変わった?(その1)

2022年7月29日

(本文)
 少し前の話ですが、2021年10月から日経平均株価の計算方法が変わりました。少しマニアックな話ですが、日経平均株価の指標としての特徴にかかわるものなので、可能な限りわかりやすくまとめたいと思います。
  そもそも日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場している主要225銘柄の株価をもとに計算されている修正平均株価です。
 1950年9月7日から算出がスタートし、戦後東証が再開した1949年5月16日分までさかのぼって計算されています。ちなみに、1949年5月16日の終値は、176円21銭だったようです。
 算出がスタートした当初は、225銘柄の株価を合計して225で割って求められていましたが、その後の銘柄入れ替えや株式分割などで株価が修正された際に、過去の株価との連続性を維持するため、割る数(除数)である225を修正していきました。
 どういうことかというと、例えば、3つの銘柄の平均株価を求めるとします。
A:1000円
B:800円
C:300円
という3つの銘柄の平均株価は、
(1000円+800円+300円)÷3=700円
となります。
 そして、銘柄入れ替えによって、AがDに替わったとします。
D:1700円
B:800円
C:300円
という3つの銘柄で今後は平均株価を求めることになりました。このときに、過去の平均株価との連続性を維持するため、平均株価が従来の700円と変わらないように、除数を修正するのです。
(1700円+800円+300円)÷?=700円
この「?」に入る数値を逆算します。この場合は「4」になります。
 日経平均株価も、このような考え方で、当初225だった除数を修正していったわけです。ちなみに、2022年7月30日現在の日経平均除数は28.455となっています。
 なお、このような平均株価の算出方法は、アメリカのダウ・ジョーンズ社が考案したものだったので、ダウ式修正平均とも呼ばれます。ダウ式修正平均の最も代表的なものが「NYダウ」です。
日本の日経平均株価も、昔は東京証券取引所が算出していたので、「東証ダウ」と呼ばれていました。1970年から東証に代わって日本経済新聞社が算出するようになり、正式名称が「日経平均株価」になりましたが、投資家のなかには「日経ダウ」と呼んでいる人もいました。(つづく)
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菱田雅生(ひしだまさお)

  • ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 2級DCプランナー
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター

略歴

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て、2005年8月よりフリーに。現在は、相談業務や、原稿の執筆、セミナー講師等に従事する傍ら、TV・ラジオ出演などもこなす。

書籍

「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」すばる舎 (2018/1/25)

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