投資の前にコレだけは知っておこう!

【10/18】第310回 株価の行き過ぎを見る指標とは

2021年10月18日

日経平均株価は、8月下旬から9月中旬にかけて新型コロナウイルスの新規感染者数が減少したこと、菅首相が自民党総裁選に出馬をしない表明(事実上の退陣表明)をし、次の総裁による政策への期待感が高まり、27,000円台から31,000円近くまで上昇しました。
株式投資の世界では、株価の上昇または下落のピッチが速すぎる(=株価が行き過ぎている)かどうかを捉えるための指標がいくつかあります。
有名なのが、株価の25日移動平均との乖離(かいり)率です。「25日」で計算されることが多いですが、「75日」や「200日」などが使われることもあります。「25日」は短期的な過熱状況、「75日」や「200日」は中期的な過熱状況を判断するときに使われます。
株価の25日移動平均とは、その日から直前25営業日までの株価の平均値を計算するもので、日々数値は変わっていきます。移動平均との乖離率とは、各営業日の株価と25日移動平均がどの程度乖離しているか(=離れているか)を計算したものです。
株式市場には、株価が下落したところで買い、株価が上昇したところで売る投資家(逆張りスタンスの投資家)が、少なからず存在していますので、株価の上昇または下落のピッチが速すぎないかを見ることは重要です。
大きな材料(良いニュース、悪いニュースなどの株価にとっての好材料や悪材料)が出ていない中で過熱感が高まっているときに、順張り(株価が上昇トレンドにあるときに買う、株価が下降トレンドにあるときに売る)のスタンスで売買をする際は、ある程度過熱が収まってから行うのが無難でしょう。
個別銘柄だけでなく、株式市場全体の過熱感を見るときにも、この指標はよく使われます。一般に、日経平均株価の25日移動平均との乖離率は、プラス5%を超えると上昇ピッチが速い、マイナス5%を下回ると下落ピッチが速いとされます。
9月14日時点の乖離率はプラス7.62%でした。日経平均株価の上昇ピッチが速いと見た投資家は多いことでしょう。
ちなみに、この指標の過去10年間の推移を見ると、10%を超えたのは、2013年の異次元的金融緩和政策を打ち出した黒田日銀総裁の就任後と、2014年の消費増税の見送りが決まった衆議院選挙の直前、そして、2020年半ばの新型コロナ対策としての大幅な金融緩和が実施されたときでした。
また、10%は超えませんでしたが、2012年の第2次安倍政権の誕生直後や、新型コロナのワクチン開発の進展が公表された2020年11月には、7%を超える場面がありました。
やはり、大きな材料がある場合は、7~10%などの水準まで乖離率が上がります。乖離率と材料(ニュースなど)の内容を冷静に見ることで、株価が行き過ぎているかどうかが、なんとなくわかってくると思われます。注目してみてください。
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菱田雅生(ひしだまさお)

  • ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 2級DCプランナー
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター

略歴

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て、2005年8月よりフリーに。現在は、相談業務や、原稿の執筆、セミナー講師等に従事する傍ら、TV・ラジオ出演などもこなす。

書籍

「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」すばる舎 (2018/1/25)

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