投資の前にコレだけは知っておこう!

【8月18日】投資をするなら4月か12月がいい?

2009年8月18日

 以前、アクティブ運用の考え方のベースとなっているアノマリーについて簡単に触れましたが、アノマリーとは、特異とか異質といった意味の言葉で、マーケットが効率的(情報が瞬時に価格に織り込まれる状態)であるとする効率的市場仮説に反する事柄を指します。具体的には、1月の収益率が他の月の収益率よりも高まりやすい「1月効果」や、PERの低い銘柄の収益率が高まりやすい「低PER効果」、大型株よりも小型株の収益率が高まりやすい「小型株効果」などが有名です。
 そこで今回筆者は、1949年5月の戦後の東証再開以来の日経平均株価(2009年7月末まで)で、「1月効果」が本当にみられるのかを調べてみました。
 月間ベースの騰落率で比較してみると、過去約60年間における平均値では、やはり1月がトップで+2.73%。2位が4月(+1.55%)、3位が8月(+1.02%)でした。逆に、最下位は9月(-0.82%)で、次いで悪いのは10月(-0.15%)でした。ただし、これをバブル後の1990年以降だけで見てみると、トップは4月(+1.46%)、2位が5月(+0.68%)、3位が12月(+0.55%)で、最下位は9月(-2.64%)、次いで悪いのが8月(-1.22%)でした。
 また、前月比で値下がりした回数を調べてみると、最も少ないのが1月の17回(60回中)、次いで少ないのが4月の19回(60回中)。逆に、最も多いのが9月の34回(60回中)でした。これも、バブル後だけで見てみると、最も少ないのが4月(20回中8回)、11月(19回中8回)、12月(19回中8回)で、次が5月(20回中9回)でした。逆に、最も多いのが9月(19回中14回)、次が7月(20回中12回)でした。
 このように見てみると、過去60年ほどの期間では、おおむね1月効果はあると考えてよさそうですが、バブル後に限定してみると、1月効果よりも4月効果のほうが顕著で、収益率や下落回数からすると、次点とできるのは1月よりも12月のほうが好成績であることがわかりました。また一方で、バブル前後で共通しているのは、9月の実績の悪さです。この傾向が今後も続くのであれば、とりあえず8月下旬から9月上旬にかけての新規投資は控え、買いのタイミングとしては3月下旬から4月上旬、11月下旬から12月上旬を狙うべきだといえるでしょう。ただし、あくまでも「過去の傾向どおりにマーケットが動くなら」という前提であることをお忘れなく。
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菱田雅生(ひしだまさお)

  • ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 2級DCプランナー
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター

略歴

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て、2005年8月よりフリーに。現在は、相談業務や、原稿の執筆、セミナー講師等に従事する傍ら、TV・ラジオ出演などもこなす。

書籍

「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」すばる舎 (2018/1/25)

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