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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【9月24日】~99%対1%~

2021年9月24日

世界で初めて民間人だけで“宇宙旅行”をするスペースXのプロジェクト「Inspiration4(インスピレーション4)」のクルー4人が、地球に帰還しました。

この宇宙旅行は、民間人だけによる有人宇宙飛行としては世界初となります。

それに先立ってアマゾン創業者のジェフ・ベゾス、ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソンらも宇宙旅行に成功しています。

新時代の始まりとの声があがる一方で、結局、宇宙に行けるのは成金だけ、という現実も一方で示しています。

間が悪いことにベゾス氏の率直な物言いが批判を呼びました。

「Amazonのすべての従業員と、Amazonのすべての顧客にも感謝したい。なぜなら君たちがこのすべての代金を支払ったのだから」

余りにも正直に、見下した物言いに気分を悪くしたか、あるサイトには「地球に帰ってくるな」とのネガティブキャンペーンが張られました。

かつて人類の卓越した技術と創意工夫の頂点として、羨望の的でしかない宇宙飛行が、単なる「金持ちの遊び場」に成り下がっています。

宇宙旅行に参加したお歴々はあちらこちらに多額の寄付をしています。

それでも批判がやまないのは、妬みやひがみでは到底表現できない厳然たる格差があって、尚且つ是正されない流れが言いようのない失望を招いているからなのでしょう。

資本主義はギャップを利潤に変えるシステムです。

15世紀後半から始まった大航海時代は地理的差異を利潤の源泉にしましたし、やがてそれが「情報」になり替わり、その格差は利潤になりました。

目下のところ残るギャップはサイバー空間と宇宙なのかも知れません。

アメリカに限らず日本でも格差は是正されていません、むしろ拡大しています。

それでもやはり捨て鉢にならず1%側に近付く努力をしていきたいもの。

株式の取引も見えない価値と見える価格の裁定取引なのですから。

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。