内田晋也の投資コラム
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公開日:2021年4月2日
【4月2日】〜野村HD巨額損の背景を簡単に〜



今週29日、野村HDが「米国子会社において、米国顧客との取引に起因して多額の損害が生じる可能性が出た」とのIRを発表しました。

見込み損害額は3月26日時点で約20億ドル(2200億円)と公表され、マーケットで多少の混乱が見られました。

伝えられる報道も要領を得ず、市場へ与える影響もはっきりとしないというのが今の現状です。

いったい何が起こったのか?

まずヘッジファンドのトレーダーであったビル・フアンなる人物は過去にインサイダー取引や相場操縦に関わったとして業界から追放された訳アリの人物です。

不特定多数の投資家から資金を集めて運用することを禁じられた同氏は自己資金で「こっそり」と市場取引を開始していました。

業者でない以上、当局からの規制は緩やかで、それを逆手に「こっそり」とは言えない利益を積み上げたようです。

本来であれば業界から追放されている人物ですので、複雑な金融取引の提供は見合わせざるを得ないのですが、運用金額が大きくなるにつれて、手数料も膨大になりいつの間にやら不透明なレバレッジ取引が開始されたようです。

この手の取引で一番サヤが抜けるのが、特定銘柄の大口ブロックをオファーし、逆に買い取るブロック・トレードになります。

すぐに市場で全株売却できないような流動性の乏しい銘柄を買い取り、類似の銘柄や値動きの似た銘柄をショートし、時間をかけてカバーして買い取ったブロックを処分して利益を積み上げることです。

3月22日前後にジム・ファンが大量保有していた銘柄が揃って30%前後の下落となったことで追証が発生し、自己資金100億ドルに対しての信用建玉400億ドルがほぼ消滅した格好となりました。

中毒者特有の全額投資だった模様で追加の証拠金の支払いに応じられず、プローカー自身が同氏のポジション解消しリスク軽減に走ったのですが、そこでトレーディング能力の差がはっきりと出てしまったようです。

ゴールドマンはいち早くリスク軽減、もたついた野村とクレディに損失が広がり、なぜか古巣の三菱UFJ証券も貰い事故のような形で3億ドルの損と相成りました。

実は最初に逃げたゴールドマンに「フライング」の疑いがもたれています。

追証が発生する前から売却に動いた可能性があることが伝えられており、今後訴訟に発展することも考えられます。

アルケゴスのポジション必要額がすべて処理されたわけではないようで、もう一波乱あるかもですね。

ご担当者様のご心痛を心よりお見舞い申し上げます。

実は小生も会社から定められたポジションの制限をたった一度だけ逸脱してしまったことがあります。

会社からの大きな期待と報酬欲しさにに、絶対に負けてはいけないというプレッシャーの中でトレードし、本来ならばカットしなくてはならない状況でポジションを積み上げてしまったのです。

当然こっぴどくお叱りを受けました。

この失敗で学んだのは、自分の限界を知るということです。

自分で対処できないリスクは絶対に取ってはいけないと肝に銘じました。

小生のトレーダー人生の中で最大の勉強となっています。

私の失敗談ですが・・・。

【7097】さくらさくプラスの動きに注目しております。

それではまた会いましょう。

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