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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【7月10日】~チフスのメアリー~

2020年7月10日

1906年、ニューヨーク州の銀行家チャールズ・ウオーレンが別荘に一人の家政婦を雇いました。

彼女の名前がメアリーマローンです。

料理の腕に優れ、子供の面倒見もよかったそうです。

ところが雇われた直後から1週間の間に別荘にいた11人のうち6人から腸チフス患者が発生しました。

調査の結果感染源はメアリーマローンであることが判明しました。

初めてチフスの不顕性感染者(症状の出ない保菌者)が出たのです。

マローンは隔離され、その後二度と料理人をしないという約束で解放されたそうですが、その後名前を替えて再び別の場所(マンハッタンの産院)で料理人をしたそうです。

この軽率な行動で新たに25人の腸チフス患者を出し、うち2名亡くなられたそうです。

当時は効果的な治療法がなく、新聞は「無垢の殺人者」「最も危険な女」と書き立てたといいます。

その後2度目の隔離は彼女が亡くなるまで23年間に及んだそうです。

感染を抑えたい公共の福祉と隔離されたくない個人の自由を考えると、今日に通じる重要な案件と言えるでしょう。

現下のコロナでも無症状の感染者対策が欠かせません。

小生も満員電車に乗るたびに、不安にかられます。

もしかしたら自分も無症状な感染者ではないか?

お隣さんは大丈夫か?

メアリーに対する「毒婦」呼ばわりは死後も付きまとったそうです。

不顕性感染が多い新型コロナの状況に似てて怖いですね。

不顕性感染だと自分は健康だと思いますからこんなことになるのでしょう。

歴史から学んで教訓にするべきかなと思います。

医療崩壊につながらないよう医療支援企業に注目したいです。

それではまた次回お会いしましょう。

投資調査部 内田




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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。